この地域の森林ってどんなとこ?

天然林・広葉樹の多い森林

大北地域は、長野県の北西部に位置し、大町市と池田町、松川村、白馬村、小谷村)の5市町村を指します。
この地域の森林は、国有林43,500ha、民有林50,200haの合計93,700haで地域の84%を占めています。

その民有林では針葉樹が約30%で、人工林率では約27%しかなく、全国的に見ても天然林が多い地域です。

春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々に移り変わる森林を楽しめます。

どんな木が生えているの?

この地域では標高400~3000mまで多様な植生が見られます。
低地~1500mには、ブナ、ミズナラ、コナラ、ホオノキ、カエデ類などの夏緑広葉樹にアカマツ、カラマツやヒノキの植林などが見られ、代表的な樹種が特定できないぐらい多様な種類が森を作っています。

標高1500m~2500mには、ダケカンバなどの広葉樹林や、オオシラビソ、コメツガなどからなる針葉樹林が出現し、2500m以上の森林限界を超えると低木のハイマツ群落や草原が地を這うように発達します。

この森に生きる動物たち

様々なタイプの森林があることで、様々な生き物の生息地にもなっています。ツキノワグマ、カモシカ、サル、シカ、イノシシといった主に植物を食べる大きな動物や、キツネやテンといった肉食の動物、ウサギやリスなどの小動物まで多くの種類が棲息しています。

彼らの食痕や角や爪の痕、掘り返した跡や足跡、糞や骨や羽毛といった「落とし物」まで、そこにいた痕跡や気配を結構な頻度で見ることができます。運がよければ(?)、動物本体と遭遇することもあります。

この地域の林業

北アルプス地域は積雪地帯になるため、建材に使われるようなスギやヒノキの生産にはあまり適さない地域です。
そのため森林面積の66%を広葉樹が占めており、その8割以上が「伐採適齢期」を迎えています。広葉樹を有効活用するしくみができれば、地域林業がビジネスとして成り立つ可能性があります。

また、松くい虫被害は南から北へ、池田町、松川村から大町市社・常盤地区や標高の高い地域へ拡大しつつあって、適切な防除対策の推進とともに、被害材・伐採木の利用促進が必要とされています。